◎2002年度は教室関係者のほかに,前期に中川正弘広島大学留学生センター教授(ヌーヴォーロマン研究)に,後期に清家浩広島経済大学教授(『地獄の機械』-ギリシャ悲劇とコクトー)に出講していただいており,集中講義の形式で,前期に九州大学大学院の吉井亮雄教授(ジッド研究)に,後期には東京大学大学院の宮下志朗教授(ラブレー研究)にご援助いただいている。
◎当教室の助手を1981年4月から1986年3月まで5年間務められた武田治人氏が2002年7月23日に病気のため急逝された。ご冥福を祈ります。
◎文部科学省派遣の長期在外研究員としてパリ近郊のMarne-la-Vall仔大学で2001年9月から研修中であった松本陽正氏は2002年6月末に帰国された。
◎広島大学文学部とスイスのローザンヌ大学文学部との間の学術交流協定に基づいて,本年も広島大学文学部から,本会会員の高谷由美さん(大学院博士課程前期)と,当教室の学生,大島崇志君(4年生)の2名が2002年7-9月,ローザンヌ大学の夏季フランス語講座に派遣された。
◎当教室の清水恵子さんは,2001年度の京都外国語大学主催のフランス語弁論大会に出場し,みごと関西日仏学館長賞を獲得し,副賞として2002年3月にフランス語研修のためパリに1か月間派遣された。
清水さんは上記により,2002年3月の卒業に際し,学長による学生表彰の対象者となり,表彰状と記念品を授与された。
◎今田良信氏は,「古フランス語における語順研究-13世紀散文を資料体とした言語の体系と変化-」と題する学位請求論文を広島大学大学院文学研究科に提出し,2002年3月に博士(文学)の学位を授与された。
◎平手友彦,村瀬延哉,井口容子氏など広島大学総合科学部のフランス語教官が中心となって,インターネット上にヴァーチャルユニバーシティーフランス語ページ(http://flare.media.hiroshima-u.ac.jp/french/index.html)を開設された。
◎フランス語教員の公募情報などが,科学技術振興会の研究者人材データベースのページ(http://jrecin.jst.go.jp/G_MAIN_J.html)で公開されている。
(H)
2001年度 博士課程前期特別課題研究題目
熊懐 愛 中世フランス文学における女性蔑視の言説
2001年度 卒業論文題目
関藤有作 フランスにおける少数話者言語について
羽坂洋平 ロブ=グリエ『迷路のなかで』考
細田貴之 『アドルフ』における自我をめぐる考察
渡邊直子 アルベール・カミュ『ペスト』論
和田佐予 『人間の土地』にみるサン=テグジュペリの人間観
石田亜紀 ユイスマンスの『さかしま』におけるデ・ゼッサントの理想追求
藤村 恵 フランソワ・ヴィヨンの女性観と信仰
三森 潤 ジャン=フィリップ・トゥーサン研究
山崎杏奈 『田園交響楽』における無知と幸福
清水恵子 数の概念について-フランス語と日本語の対照研究
高谷由美 ゾラ『制作』における芸術家像
長谷部芳恵 アヌイ『アンチゴーヌ』に見る抵抗の精神について