◎2000年度は教室関係者のほかに,前期に中川正弘広島大学留学生センター助教授(ヌーボーロマン研究)に,後期に清家浩広島経済大学教授(『アンチゴーヌ』-アヌイの場合)に出講していただいており,集中講義の形式で,前期に愛知県立大学の鈴木覺教授(フランス語の形成)に,後期に東京大学大学院の竹内信夫教授(マラルメとマネ)にご援助いただいている。

◎太古隆治,中川正弘,前田弘隆,今田良信,原野昇の各氏は共同で,『エネアス物語』(渓水社,2000年)を翻訳出版された。そのほかにもジャック・リバール著,原野昇訳『中世の象徴と文学』(青山社,2000年)と,原野昇ほか著『中世ヨーロッパに見る異文化接触』(渓水社,2000年)の出版もあった。

◎広島大学文学部とスイスのローザンヌ大学文学部との間で学術交流協定が1999年に締結されたのにともない,広島大学文学部から,本会会員の熊懐愛さん(大学院博士課程前期)と,当教室の学生,小崎崇史君(4年生)の2名が2000年8-9月,ローザンヌ大学の夏季フランス語講座に派遣された。
(H)

1999年度 卒業論文題目

今岡 智子 『ル・グラン・モーヌ』におけるフランソワの役割について
河内 絵美 ジョルジュ・ローデンバック著『死都ブリュージュ』における鐘の役割について
国弘雅紀子 『青い鳥』が示す幸福観について
谷 由起子 サン=テグジュペリ研究-「人間」とは何か-
星野久美子 テレーズシリーズにみるテレーズ・デスケイルーの心の闇について
真鍋 善旭 ジャン=フィリップ・トゥーサンにおける水と足
-『ためらい』を中心に-
三浦 美紀 コクトー『恐るべき子供たち』-姉弟のヌ本能ネについて-
山本  彩 カミュ作『カリギュラ』への一考察
-スエトニウスとの比較を通して-
小林 洋子 アゴタ・クリストフの三部作に関する一考察
-双子の役割と効果を中心に-
島 五穂子 アンドレ・ジッド『田園交響楽』における「変化」について
~罪と救済をめぐって~
松尾 高史 ガストン・ルルー『黄色い部屋の謎』『オペラ座の怪人』を核とした文学とミステリーの関連の研究