◎1999年度は教室関係者のほかに,横山昭正広島女学院大学教授(フランス近代詩研究)に出講していただいており,集中講義の形式で,前期には東京大学大学院の石井洋二郎教授(フランスの文学理論)に,後期には帝京平成大学の朝比奈誼教授(フランス文学とポール・ロワヤルのかかわり)にご援助いただいている。

◎田中隆二氏は『幕末・明治期の日仏交流ム中国地方・四国地方編(一)松江ム』(渓水社,1999年)を,文部省の研究成果公開促進費の助成を受けて,出版された。

◎松本陽正氏は昨年広島大学に提出された学位論文『アルベール・カミュの遺稿Le Premier Homme研究』を,文部省の研究成果公開促進費の助成を受けて,公刊された(駿河台出版,1999年)。

◎佐藤正年氏はHenri MITTERAND著『ゾラと自然主義』を翻訳出版された(白水社,クセジュ文庫,1999年)。

◎高木敬二氏は1999年4月から,大阪日仏センターに就職された。

◎広島大学文学部とスイスのローザンヌ大学文学部との間で学術交流協定が1999年9月に締結された。同大学はフランス語圏の大学でもあり,当教室も教官・学生の積極的な交流が望まれる。なお同大学文学部のClaude REICHLER教授には1997年10月に来学を乞い,シャトーブリアンに関する講演をしていただいた。その内容は本誌17号に掲載されている。

◎別府大学の招きで来日中のJean-Marie PETITモンペリエ第3大学教授によるHistoire linguistique et culturelle du Midi de la Franceと題する講演が,1999年10月13日に,広島大学文学部大会議室で開催された。

◎国際交流基金ほかの招きで来日中のドイツ・ザールラント大学のWolfgang HAUBRICHS教授によるLe Processus dユ四aboration des fronti俊es linguistiques : le cas des zones de contact romano-germaniquesと題する講演が,ドイツ語学ドイツ文学教室との共催で, 1999年10月19日に広島大学文学部大会議室で開催された。
(H)

1998年度 卒業論文題目

久保 浩一 フランソワ・ヴィヨン『遺言』への一考察
熊懐  愛 『愛の妖精』とジョルジュ・サンド
ムファデットとサンドをめぐる「永遠の愛」ム
津森  恵 『カルメン』研究ムカルメンの謎についてム
本田 祥子 『マルドロールの歌』に関する一考察
三好 央子 ジュリアン・グリーン『他者』論
渡辺 綾子 『ドン・ジュアン』における主要登場人物の役割について
ムドン・ジュアン,スガナレル,ドーヌ・エルヴィールを
めぐってム
原野 葉子 『ロル・V・シュタインの歓喜』における「眼差し」に関する
一考察
小土井邦子 トリスタン物語に見る中世の愛